補聴器と集音器の違いとは?価格・効果・向き不向きを徹底比較!

集音器と補聴器、なんとなく似てるけど、実は大きな違いがあります。
この記事では、それぞれの特徴や違いをわかりやすく解説していきます。
自分に合った「聞こえ方」を見つけるヒントにしてくださいね。

補聴器と集音器ってどう違う?まず押さえておきたい基本知識
- ① 音の拾い方と構造のちがい
- ② 医療機器かどうかの分類
- ③ 価格帯や購入手段の差
- ④ 自分に合う選び方のポイント
① 音の拾い方と構造のちがい
補聴器は、個々の聴力に合わせて細かく音を調整できる専門的な装置です。医師の診断や聴力測定に基づいて音域ごとの音量を調整することで、聞き取りにくい音をクリアに補正します。
対して、集音器は周囲の音を一括で増幅するシンプルな仕組み。誰でも使える手軽さが魅力ですが、補聴器のような個別の音質調整はできません。

例えるなら、補聴器は「度数を合わせたメガネ」、集音器は「市販の拡大鏡」といった感じ。両者の目的も使い勝手も大きく異なります。
② 医療機器かどうかの分類
補聴器は『管理医療機器(国の基準を満たした医療用の装置)』に分類されており、国の基準を満たした製品のみが認可されています。
そのため、販売や調整には「認定補聴器技能者」など専門知識を持ったスタッフが対応し、使用者の聴力や生活環境に応じた細やかな対応が受けられます。
一方、集音器は医療機器ではなく、一般的な音響機器として販売されています。医療行為に該当しないため、家電量販店や通販で簡単に購入でき、価格も比較的リーズナブルです。

つまり、補聴器は「医療機器」、集音器は「家電製品」という扱いですね!
③ 価格帯や購入手段の差
補聴器は片耳で5万円〜40万円前後が一般的で、両耳用の場合はさらにコストがかさむこともあります。
その代わり、聴力検査・装着テスト・微調整・アフターケアといった包括的なサポートが受けられるのが特徴です。
集音器の価格帯は5,000円から60,000円程度が一般的で、通販サイトや家電量販店で簡単に購入できます。手軽に始められる点で、初めて聞こえの補助を試したい方に適しています。

安価な製品の中には品質や性能にバラつきがある点もあるため、口コミやレビューをよく確認するのがポイントです。
④ 自分に合う選び方のポイント
聞こえに少し不安がある程度の方は、集音器から試してみるのも十分に合理的な選択です。
日常会話に困らないが、テレビの音が聞き取りづらいと感じたり、家族に音量を指摘された経験があるなら、集音器は導入しやすい選択肢になります。
反対に、「会話が聞き取れない」「聞き返しが多い」「左右で差がある」といった症状がある場合は、早めに耳鼻科で診察を受けたうえで補聴器を検討するのがおすすめです。
補聴器と集音器の違いを7つの視点で比較してみた

ここでは、よく比較されるポイントを一覧表形式で整理しました。
比較ポイント | 補聴器 | 集音器 |
---|---|---|
分類 | 医療機器(要認可) | 音響機器(一般製品) |
調整機能 | 聴力に応じて細かく調整 | 音量を手動で調整 |
価格帯 | 5万~40万円前後(片耳) | 5千円〜6万円前後 |
利用者の目安 | 軽~高度難聴の方 | 軽〜中程度の聞こえの不安 |
アフターサービス | 定期調整・保証付き | 基本的にサポートなし |
購入場所 | 専門店・耳鼻科経由 | ネット・家電量販店など |
助成制度 | 自治体助成・医療費控除あり | 適用対象外 |
あなたに向いているのはどっち?タイプ別診断チェック

① 集音器を検討したい人の特徴
- 聴こえづらさはあるが生活に大きな支障はない
- 家族からテレビの音が大きいと指摘される
- まずは気軽に試してみたい
- 価格的にもリーズナブルなものが良い
- 耳鼻科を受診することに心理的なハードルを感じている

これらに当てはまる方には、まず集音器を使って感触を試すのがおすすめです。
② 補聴器が向いている人の特徴
- 医師に難聴と診断された経験がある
- 会話や電話で聞き取りに苦労している
- 左右で聴こえ方に差がある
- 家族から聞き返しが多いと指摘される
- 助成金制度や医療費控除を活用したい

日常生活に支障があると感じたら、迷わず補聴器と医療機関の相談をおすすめします。
実際に使って分かった体験談から見るリアルな感想
① 集音器を使って「これは良い」と思った点
② デメリット・気になった点
③ 最終的に、補聴器への切り替えを決断した背景

補聴器に切り替えた主な理由は以下の通り。
集音器を使ってみて一定の効果は感じられましたが、次のような点が気になったという意見が多かったです。
- 周囲の雑音も一緒に増幅されるため、かえって会話の内容が聞き取りにくくなる状況もあった
- 音質に違和感があり、長時間使うと耳が疲れやすかった
- 左右の聞こえに差があるため、片方だけではバランスが取りづらかった
- 市販品だとフィット感が合わず、見た目も少し気になった
- 不具合や使用上の疑問が生じた際に、相談窓口が存在しないことに不安を感じた
こうしたことから、専門家のサポートを受けながら調整できる補聴器への切り替えを決めたそうです。
よくある質問Q&A:不安を解消しよう

- ① 聴こえの状態ってどう判断するの?
-
耳鼻科などで行われる「聴力検査(オージオグラム)」が最も正確な判断材料です。
数分で終わる検査ですが、聞こえのグラフが出ることで、自分に必要な対策が明確になります。
- ② 集音器を使えば聞こえは完全に元通り?
-
残念ながら完全に戻すというより、“補う”機器です。
あくまで音の増幅であり、聞こえづらさをやわらげる目的で使うと満足度は高いでしょう
- ③ 補聴器の調整って何をするの?
-
周波数(音の高さ)ごとに音量や圧縮率を変え、生活環境に合った音を調整します。
たとえば高音域だけ聞こえにくい人には、そこだけを大きく補うといった細かな対応ができます。
- ④ 相談に行くタイミングは?
-
違和感を感じたときがタイミングです。「まだ早いかも」と思っても、相談だけでも問題ありません。
聞こえは放っておくと徐々に悪化する場合もあるので、早めの対応が安心です。
まとめ:自分に合った「聞こえ方」を大切にしよう
補聴器と集音器は、それぞれの特性と用途に応じて選ぶべきもので、優劣の問題ではありません。
それぞれの特性や価格、サポート内容をしっかり理解し、自分の状態に合った方法を選ぶことが何よりも大切です。
「とりあえず試してみたい」なら集音器を、「ちゃんと調整したい」「生活の質を上げたい」なら補聴器を。

無理なく自分のリズムで聞こえと向き合っていく姿勢が大切です。
\ 聞こえ改善の第一歩を踏み出そう /
「テレビの音量が以前より高くなった気がする」「会話の内容が聞き取りづらいと感じる」などの変化は、聞こえに関する行動を起こすべき初期のサインかもしれません。
集音器なら気軽に、補聴器なら専門的に。あなたにとって一番心地よい“聞こえ方”が見つかることを願っています。
参考・出典情報
- 厚生労働省「補聴器の購入と補助制度について」
- 日本補聴器工業会「補聴器の基礎知識・種類・使い方」
- 消費者庁「集音器と補聴器の違いに関する注意喚起」
- 国立障害者リハビリテーションセンター「補聴器に関する医療的な情報」
- 日本耳鼻咽喉科学会「難聴と補聴器に関する基礎医学知識」